メールニュース - 大阪自治体問題研究所メールマガジン 第12号 [2013年12月9日発行]
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大阪自治体問題研究所メールマガジン第12号
2013年12月9日発行
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発行:一般社団法人 大阪自治体問題研究所 発行責任者;平井賢治(事務局長)
メールマガジンは会員の皆様等に、イベントの案内、活動報告、地方自治に係る情報
提供などを行うものです。
バークナンバーは、ホームページに掲載しています。 http://www.oskjichi.or.jp/
投稿・意見・要望・感想、入会申込み、書籍申込みは oskjichi@oskjichi.or.jp
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【1】 トピックス
(1)『おおさかの住民と自治』14年1月号は12月17日発送予定です。
今月号は通常号です。鶴田廣巳理事長の新年のあいさつ「安倍内閣の歴史反動政治と
橋下「都構想」を超えて」を、また、「あのまちこのまちから?」では、泉佐野にお
ける「カジノ誘致に反対する市民連絡会の取組み」を掲載します。
また、14年2月号(特集号)では、特集1「誰でも安心できる長寿社会を考える」
と特集2「韓国交流ツアー」の詳細な報告を掲載します。
(2)橋下「大阪市政改革」、大阪都構想と住民投票などについて、研究会や学習会
の報告レジュメ・資料をホームページに掲載しました。
11月9日に開催した「大阪発地域再生プラン研究会」で報告いただいた、「橋下市
長による市政改革と市民生活破壊の実態について」(報告者:日本共産党大阪市会議
員北山良三さん)と「都構想これからどうなる?パッケージ案をめぐる議論と各党の
態度」(報告者:大阪市会議員山中智子さん)の報告レジュメと資料を研究所のホー
ムページに掲載しました。
また、11月15日に開催した大阪市研究会、大阪市労働組合総連合共催の学習会
『「大都市制度パッケージ案」&「住民投票手続き」』で講演いただいた、『「大阪
都構想」をどう考えるか』(森裕之さん・立命館大学)と『大阪府市特別区設置協議
のスケジュールと住民投票』(柏原誠さん・大阪経済大学)の講演レジュメと資料を
研究所のホームページに掲載しました。
大阪自治体問題研究所のトップページ「新着トピックス」
(3)会費・誌代納入のお願い
会費・誌代請求書を11月29日に送付しました。研究所の活動と機関誌発行の貴重
な財源ですので、納入をよろしくお願いします。また、多額の滞納会費・誌代のある
方は研究所の財政運営に支障をきたしますのでご理解のうえ、お早めにご入金いただ
きますようお願いします。
(4)おおさか自治体学校「地域教室」を14年2月下旬開催に向け準備開始橋下
「維新の会」は、大阪市政改革を謳った、福祉や医療、地域活動に対する補助金削減
など市民サービスの切り捨てをすすめるとともに、大阪府民・市民に対する十分な説
明がなされないまま、大阪都構想実現に向けた住民投票を来年秋に実施しようとして
います。このような状況の下で、大阪都構想や「市政改革」の内容をわかりやすく、
気軽に学習し、地域での課題や取組みについて話し合うため、大阪市内の4箇所(中
央区・都島区・福島区・住吉区)で、14年2月下旬から3月上旬にかけて「地域教
室」を開催する準備を、現地の皆さんの協力を得ながら進めています。
この取組みにご協力いただける方は、研究所までご連絡をお願いします。
【2】 行事・研究会、出版
(1)主催研究
?「大阪発 地域再生プラン研究会」
11月26日(火)大阪府市大都市局から「大阪における大都市制度の制度設計
(パッケージ案)」について、また、中央区玉造校区社会福祉協議会から「大阪市政
改革による協議会活動への影響や地域活動協議会、幼稚園廃止問題など」について、
それぞれヒアリングを行いました。12月16日に拡大事務局会議を開催し今後の研
究会の進め方や出版計画などについて検討します。第15回研究会は、14年1月
(日程は未定)の開催する予定です。
「福祉部会」第1回研究会は、11月21日(木)19時から研究所会議室で開催
し、自治労連が行った全国調査の結果を基にした「生活保護をめぐる自治体現場の実
態」や大生連が行っている「私の要求」運動からみた「生活保護世帯の実態」などに
ついて報告を受け、討論しました。第2回研究会は、12月25日(水)18時30
分から研究所会議室で開催します。テーマは、「児童虐待と生活保護のかかわり」に
ついてです。
?町村自治確立研究会
12月例会を、12月2日(月)午後2時〜4時30分に研究所で開催し、各町村の
防災計画と防災予算の特徴や問題点などを話し合いました。
次回は、「14年度国の地方財政対策について」の学習と各町村の情報交換を行いま
す。
詳細は、http://www.oskjichi.or.jp/modules/report/content0062.html
(2)共同研究
?東大阪中小零細企業実態調査研究会、11月28日(木)10時30分から東大阪
市経済部と「中間とりまとめ」の報告と懇談を行いました。また、11月28日
(木)午後と12月4日(水)に、5企業に対するヒアリング調査を行いました。
第8回研究会を12月19日(水)午後6時からかわち勤労会館で行い、報告書素案
の検討を行います。
?きずな研究会、2010年の「きずなアンケート調査」の第2弾として、大阪自治
労連と研究所との共同研究会として13年11月から発足、中小企業の実態を自治体
労働者・労働組合と中小企業者・団体との共同の取組みで把握するとともに、大阪経
済の現状と課題について調査研究をすすめます。第1回研究会を11月18日(月)
14時から開催し、「大阪市経済の現状と課題」について報告・討論を行うととも
に、今後の進め方について話し合いました。
第2回研究会は、12月17日(火)10時から大阪自治労連会議室で行います。
?防災まちづくり研究会、第2回研究会を11月28日(木)午後6時30分から大
阪自治労連会議室で開催し、「2013年度地方自治体における震災対策現況と課題
に係る調査」(2011年12月に行った同様の調査の続編)の検討を行うととも
に、国公近畿ブロック・大阪自治労連の「防災キャラバン」の取組みなどについて話
し合いました。
第3回研究会は、12月17日(火)18時30分から大阪グリーン会館小ホールで
開催し、「堺泉北石油コンビナートにおける地震・津波時の被害想定と防災対策」に
ついて、報告・討論を行います。
(3)自主研究会
?大阪市研究会、11月15日(金)午後6時30分から大阪民医連会議室で、「大
都市制度のパッケージ案について」(講師:森裕之立命館大学教授)と「住民投票手
続き問題について」(講師:柏原誠大阪経済大学准教授)の学習会を大阪市労働組合
総連合と共催で開催しました。次回は、12月13日(金)18時30分から研究所
で、「24行政区のそれぞれの特徴」について、討論します。
?「住民の自治・統治研究会」、第22回研究会は、11月16日(土)13時30
分から開催。前回につづき、仁平典宏著「『ボランティア』の誕生と終焉〈贈与のパ
ラドックス〉の知識社会学」(名古屋大学出版会)の第?部第7章から終章を題材に
報告・討論しました。次回第23回研究会は、12月26日(木)午後2時から研究
所会議室で開催します。内容は、仁平典宏著「ボランティア」の誕生と終焉〈贈与の
パラドックス〉の知識社会学に登場した大阪ボランティア協会の現地研究会ための準
備として、協会の関連資料と依頼項目を検討します。
詳細は、http://www.oskjichi.or.jp/modules/report/content0061.html
?「行財政研究会」は、11月定例会は11月11日(月)15時〜研究所会議室
で、大田昌秀ほか著『沖縄の自立と日本―「復帰」40年の問いかけ』(岩波書店)
を検討しました。次回12月定例会は、室崎益輝ほか編著『市町村合併による防災力
空洞化』(ミネルヴァ書房)を検討します。
【3】 事務局の動き
(1)事務局日誌(11月)
11月2日(土)10:00〜 第31回吹田まちづくり、くらし、市政を考える
研究集会
5日(火) 9:30〜 組織財政委員会(単組訪問:泉佐野市職労)
〜6日(水) 全国研「第24回全国市町村議会議員研修会」(チサンホテル新大阪)
6日(水)18:00〜 東大阪調査第7回研究会
7日(木)17:00〜 防災まちづくり研究会事務局会議
8日(金)12:30〜 「都島」地域教室打合せ
9日(土)13:00〜 大阪発地域再生プラン研究会第14回研究会
11日(月)15:00〜 大阪行財政研究会11月定例会
18:30〜 機関誌編集委員会
13日(水)10:30〜 事務局会議
17:00〜 拡大三役会議
18:30〜 第6回理事会
15日(金)18:30〜 大阪市研究会学習会
16日(土)13:30〜 第22回住民の自治・統治研究会
18日(月) 「おおさかの住民と自治」12月号発送
10:00〜 機関誌2月号取材「かわち野医療生協」
14:00〜 「きずな研究会」第1回研究会
16:30〜 「きずな研究会」と「大阪発地域再生プラン研究会」との合同打合せ
19日(火)10:30〜 機関誌2月号取材(枚方市及び高橋工務店)
20日(水)10:30〜 事務局会議
18:30〜 第2回組織財政委員会
21日(木)18:30〜 「福島」地域教室打合せ
19:00〜 大阪発地域再生プラン研究会「福祉部会」第1回研究会
25日(月)10:30〜 事務局会議
14:00〜 地下街見学の依頼(大阪地下街(株)
26日(火)14:00〜 大阪発地域再生プラン研究会、大阪府市大都市局へのヒアリング調査
16:30〜 大阪発地域再生プラン研究会事務局会議
18:00〜 大阪発地域再生プラン研究会、玉造社会福祉協議会へのヒアリング調査
28日(木)10:30〜 東大阪市経済部との懇談(中間まとめの報告)
13:00〜 東大阪調査・ヒアリング調査
18:30〜 防災まちづくり研究会第2回研究会
29日(金) 会費請求書の発送
10:30〜 地下街見学問題で、大阪市(危機管理室)へ要請
12月2日(月) 会費長期未納者への請求書発送
14:00〜 町村自治確立研究会12月例会
18:30〜 機関誌編集委員会
4日(水)13:00〜 第3回学習教育委員会
5日(木)18:30〜 「福島」地域教室打合せ
今後の予定
12月8日(日)11:00〜 「きずな研究会」事務局会議
9日(月)10:30〜 事務局会議
18:30〜 機関誌臨時編集委員会
10日(火)18:30〜 「都島」地域教室準備会
11日(水)17:00〜 拡大三役会議
18:30〜 第6回理事会
12日(木)18:30〜 「福島」地域教室準備会
13日(金)18:30〜 大阪市研究会12月例会
16日(月)10:30〜 事務局会議
16:00〜 大阪行財政研究会12月定例会
19:00〜 大阪発地域再生プラン研究会拡大事務局会議
17日(火) 「おおさかの住民と自治」12月号発送
10:00〜 「きずな」研究会第2回研究会
18:30〜 防災まちづくり研究会第3回研究会
19日(木)18:00〜 東大阪中小零細企業実態調査研究会第8回研究会
25日(水)10:30〜 事務局会議
18:30〜 大阪発地域再生プラン研究会「福祉部会」
26日(木)14:00〜 第23回住民の自治統治研究会
【4】 ライブラリー、データバンク
(1)岸和田市長選挙、「反維新」の信貴芳則氏が当選
11月24日投開票の岸和田市長選挙で、無所属新人の信貴芳則氏(自民・民主、連
合推薦、岸和田民主市政の会が自主的支援)が3万2465票を獲得し、無所属新人
で元日本維新の会衆院議員秘書の原田栄夫氏(2万1785票)を破り、初当選し
た。
信貴氏は、「3世代が支えあう岸和田に」を掲げ、「岸和田のことは岸和田で決め
る」と反維新をうち出した。一方、原田氏は「維新対反維新のイメージが浸透するこ
とはさけたい」として、橋下代表への応援要請もせず、政党色を薄める戦略で臨ん
だ。無所属新人の一騎打ちで、信貴氏が当選したことは、維新が公認候補で破れた堺
市長選挙につづき、お膝元の大阪の首長選挙で連敗し、「維新包囲網」に再び屈した
ことになる。
(2)大阪府が、職員の政治・組合活動を規制する条例案を府議会に提出、府職労が
抗議声明
大阪府の松井知事は11月28日、「職員の政治的行為の制限に関する条例案」「労
使関係における職員団体等との交渉等に関する条例案」を府議会に提出し、12月1
6日の会期末までの成立をめざすとしている。
大阪府関係職員労働組合(府職労)は、「両条例案は憲法にも地方公務員法にも違反
し、職員の自由と権利を奪うばかりか、府民サービスの向上に逆行する。府職労は、
これらの条例を断じて許さず、いっそう住民との共同を広げ、全力で奮闘する」との
抗議声明を出し、反対の取組みをすすめている。
「条例案の概要」(大阪府ホームページ)
http://www.pref.osaka.jp/gikai_somu/2509gian/1205outlines05.html
「職員の自由と権利を奪い、府民サービス向上に逆行する憲法違反の「職員の政治的
行為の制限に関する条例案」「労使関係に関する条例案」に断固反対する」【府職労
の抗議声明】
http://fusyokuro.sakura.ne.jp/blog/
「府民のための府政にこんな条例は必要ですか?」(府職労作成)
http://fusyokuro.sakura.ne.jp/blog/wp-content/uploads/2013/12/20131129.jpg
(3)大阪市、水道事業の民営化で上下分離方式を決定
大阪市は、11月11日の幹部会議で、水道事業の民営化で、市が施設や土地などの
資産を保有したまま、運営権を市の100%出資の新会社に30年程度売却する「上
下分離方式」による民営化検討素案を決定した。
水道局職員約1600名の大半が公務員の身分がなくなった上で新会社に転籍とな
り、将来的には1000人体制にまで人員が削減されることになる。大阪市は、年度
内に基本方針案を作成し、15年の3月議会に民営化議案提出することにしている。
大阪広域水道企業団企業長の竹山修身・堺市長は、12日の記者会見で「なぜ急に民
営化になったのかわからない。水道はライフラインの最たるもので、公が責任を持つ
のがあるべき姿だ」と述べている。
水道事業民営化について(検討素案)
http://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/cmsfiles/contents/0000242/242442/251111_01.pdf
(4)大阪府、南海トラフ巨大地震の被害想定で咲洲庁舎への職員参集は困難。参集
ルールなどの見直しを決定
大阪府は、11月14日、「防災・危機管理対策推進本部」を開催し、南海トラフ巨
大地震による大阪府域の被害想定をうけた、大阪府地域防災計画等の見直しについて
論議を行った。その中で、防災企画課長は「浸水想定を踏まえると、咲州庁舎への職
員参集に困難が生じることが判明した。津波警報発令時の咲州庁舎の職員の参集ルー
ル、代替執務スペースの確保について検討し、年内に中間案をまとめ、年度内を目標
に暫定的なBCP(業務継続計画)を取りまとめたい」と説明した。
あらためて、防災拠点としての本庁舎の役割が果たせにことが明確になったといえ
る。大阪府市大都市局の「パッケージ案」では「新たな広域自治体職員は咲洲庁舎に
配置」するとしており、防災・安全の視点が欠如した案である。
大阪府防災・危機管理対策推進本部第3回会議(大阪府ホームページから)
http://www.pref.osaka.jp/kikikanri/suisinhonbu/index.html
(5)大阪市立大の理事長と学長の分離案を、大阪市議会が否決
大阪府市は、府立大学と市立大学の統合に向け、?14年度に理事長を一本化して両
大学を一体運営する、?15年度に両大学の法人を統合する、?16年度に両大学を
統合する計画を策定している。その第1歩として、大阪市は、市立大学の理事長と学
長の兼務を分離する定款変更の議案を市議会に提案したが、11月29日の本会議で
否決され、でばなをくじかれた形となった。大阪市経済戦略局は「16年度統合の
ゴールには影響しないよう計画を再検討したい」としている。
府立大学と市立大学の統合については、大阪府立大学と大阪市立大学の統合問題を考
える懇談会(大阪市大の名誉教授・宮本憲一氏、大阪府大の名誉教授・小林宏至氏な
ど大学関係者が参加)が「橋下市長の大学自治への介入と府大・市大の拙速な統合を
憂慮する」声明を発表し、10月15日に記者会見を行うなど強い反対の声が出され
ている。
大阪府立大学と大阪市立大学の統合問題を考える懇談会の「声明」(「大阪府立大学
問題を考える会」ホームページ)
http://furitsudai.org/seimei131015.html
(6)府職労と市労組が合同で2013地方自治研究集会を開催
大阪府関係職員労働組合(府職労)と大阪市役所労働組合(市労組)が合同で、20
13地方自治研究集会を開催しました。10月27日(日)13時30分からエルお
おさか大会議室で全体集会を開催し、鶴田廣巳さん(関西大学教授・大阪自治体問題
研究所理事長)が「道州制の狙い〜私たちの仕事、住民のくらしはどうかわるか」と
題して記念講演を行いました。また、基調報告を行った小松府職労書記長は、「自治
体と労働組合が、賃金の底上げ、非正規労働者の待遇改善など働くルールの確立、憲
法改悪を許さず、職場と住民生活に活かす取り組みなどあらゆる住民運動との結びつ
きをいっそう強めよう」と呼びかけました。
また、医療「府・市病院統合の行き着く先は?」、防災「見て感じて学ぶ 川から見
た”おおさかの防災”を考えよう」、公衆衛生「感染症の危機から住民を守れる
か!?」、児童福祉「なぜ児童虐待は増えつづけるのか!?」などの分野別集会が開
催されました。
全体集会の報告記事(大阪府関係職員労働組合機関誌『府職の友』2013年11月1日
号)
http://fusyokuro.sakura.ne.jp/blog/wp-content/uploads/2013/11/tomo1986_02_03.pdf
分野別集会の報告記事(大阪府関係職員労働組合機関誌『府職の友』2013年11月15日
号)
http://fusyokuro.sakura.ne.jp/blog/wp-content/uploads/2013/11/tomo1987_02.pd
f
全体集会・分野別集会の報告記事(大阪市役所労働組合機関紙『大阪市労組』(2013
年11月28日号)
http://osaka-shiro-so.cocolog-nifty.com/weblog/2013/11/index.html
(7)維新支持、関西でも退潮傾向 本社世論調査を分析(日本経済新聞
2013/11/26 15:01)
橋下徹大阪市長が昨年9月に旗揚げした日本維新の会。日本経済新聞社の世論調査か
らは、2度の国政選挙や橋下氏の「慰安婦発言」など節目ごとに支持率が激しく上下
してきた様子が浮かぶ。関西圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県)での支持は全国
より高いものの退潮傾向は否めず、識者は「支持低迷は大阪都構想や市政運営にも影
を落とす」とみている。
維新の支持率は関西圏が全国平均を上回って推移し、足元での人気は根強い。最高
は衆院選前の昨年11月ごろ。関西圏では11月中旬と下旬の調査でいずれも22%を記
録。全国でも11月下旬に15%に達し、自民の23%に次ぐ2番手につけた。だが衆院選
以降は徐々に低迷し、今年4月は関西圏で15%、全国で5%に落ち込んだ。
政策研究大学院大の増山幹高教授は「退潮傾向は関西圏でも明らか。衆院選で躍進
できなかったことが響いた」と分析。「足元の支持率が低迷すれば議会での求心力を
保てず、提唱する大阪都構想などに市民の支持を集めるのも難しくなる」と指摘す
る。
橋下氏が旧日本軍の従軍慰安婦を「当時必要だったのは誰でも分かる」と発言した
ことが問題視された直後の5月下旬の調査では、関西圏7%、全国3%と急落。参院
選直後の7月下旬には関西圏で16%まで持ち直したが、全国では7%と低迷から抜け
出せなかった。増山教授は「橋下氏のメディアへの露出が維新の支持率の動きに結び
ついている」と指摘。「参院選前後に再び支持率が上がったのは、選挙報道で橋下氏
の露出が高まったことが原因だろう」と話した。
9月の調査では関西圏の支持率が3%に急落し、全国の水準に並んだが、11月には
13%に回復。関西圏での急落は、維新の劣勢が報じられた堺市長選と時期が重なった
ことが影響したとみられる。