総合研究開発機構(NIRA)の2006年度助成研究として当研究所が行った自主研究の報告書です。
研究代表者 中山 徹(奈良女子大学準教授・大阪自治体問題研究所副理事長)
発行 社団法人・大阪自治体問題研究所
2007年6月発行、A5判・246ページ、頒価1800円
報告書の入手、お問い合わせは、大阪自治体問題研究所まで
市民社会の成熟化に伴う市民活動・NPOの拡大や自治体を取り巻く社会情勢の変化により、新しい自治体像のあり方ならびにガバナンスの方策が求められている。本研究は、そのような状況の中、特に指定管理者制度の導入に伴う新しい動きとして、NPOによる公共サービスの可能性と課題について検討を行ったものである。
NPOが適切な形で指定管理者制度に参加するために、自治体とNPOの協働関係の内実を明らかにすることが重要である。本研究では、まず、協働関係を形成するための問題点や課題を整理するとともに、全国自治体へのアンケート調査や、NPOへのヒアリング調査、事例分析を通じて、その実態の把握に努めた。また、先進モデルとしてのイギリスの「戦略パートナーシップ」の事例分析などから、日本の指定管理者制度を通した自治体とNPOの協働関係のモデルを提示した。
<目次>
序文
第1章 指定管理者制度の論点と本研究の視点
第1節 指定管理者制度の概要と論点
第2節 指定管理者制度に関する研究と本報告書における視点
第2章 指定管理者制度の導入状況−アンケート調査の分析
第1節 自治体アンケート調査の概要
第2節 自治体アンケート調査結果−指定管理者制度に関する調査
第3章 NPOが指定管理者となった事例
第1節 事例調査
第2節 施設の種類からみた特徴
第4章 英国・リバプール市のパートナーシップ−公共サービス供給の現場視察をもとに
第1節 リバプール市の概要
第2節 パートナーシップを取り巻く環境要因
第3節 リバプール市におけるパートナーシップとその構造
第4節 リバプールのパートナーシップが示唆するもの
第5章 指定管理者制度に関するまとめと提言
第1節 制度の運用をめぐる条件整備−「施設ミッション」と指定管理者の選定
第2節 指定管理者としてのNPO−その強さと弱さ
第3節 指定管理者のもとで勤務する労働者の雇用・労働条件
第4節 まとめ−市民による公共サービスの改善と指定管理者制度
資料 アンケート用紙