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第12次岸和田市政白書づくりを取り組んで
岸和田市職員労働組合中央執行委員長春孝雄


岸和田市職員労働組合と大阪自治体問題研究所は、今回第12次の市政白書を発刊するに至りました。
これまで岸和田地域経済調査研究会で4年に1回、調査研究活動を行い市政白書を発刊、市政の分析・評価と提言を行ってきました。

今回の白書作りを始めるに当たっては、これまで継続して白書を発刊してきた意義を再認識し、労働組合の中で市政を調査研究する貴重な機会として、また自治研活動の担い手づくりの場として白書づくりをおこなうこととしました。以前の白書づくりで中心となっていた方が退職し、経験者が少ない中、1年足らずのタイトなスケジュールの中でのスタートとなりました。

研究会を昨年11月に立ち上げ、月1回のペースで開催しました。まず研究者から行政資料や統計をもとに市政の現状と課題を報告していただき、市職労の役員・組合員が自らの仕事を通じた市政の現状と課題を報告し合いました。道の駅愛彩ランドや建設中の市民センター、JR高架の工事現場などのタウンウォッチングを行いました。

岸和田市政白書では、これまでも住民・産業団体へのヒアリング調査を重視し、おこなってきました。今回も子どもや青少年、福祉・健康、女性・文化、コミュニティ・まちづくり、産業など住民・経済団体など23団体のヒアリング調査を行いました。
また、行政に対しても、政策企画課への総合計画についてのヒアリングをはじめ、行革、保育、教育、国保、福祉などの行政担当者へのヒアリングを行いました。

住民団体ヒアリングでは、この間の各団体の現状や変化、課題について聴き取り調査をおこないました。コミュニティ組織の『市民協議会』のヒアリングでは、東日本大震災以降、防災についても地域で取り組んでいることが紹介されました。また、だんじりまつりで地域コミュニティの強い地域であっても、社会状況の変化や高齢化で年々地域のコミュニティが弱くなってきていることが指摘されました。ある産業団体では、市内企業が連携しての岸和田ブランドづくりなど市内循環経済をつくるため、地域産業おこしなど行政の支援の要望などが出されました。海から山まであり、産業や人材・もの、なんでもそろっている岸和田の資源を生かし切れていないとの声もでています。一方、行政も行財政改革プランで224名の職員が削減され、自治体のマンパワーも弱まっています。

地方分権がさけばれて久しいですが、事務だけが移譲され財源は伴わず、地方分権どころか、地方自治は変質、解体されようとしています。岸和田市政32年間続いた原民主市政から2期8年の野口市政に転換しました。この間デフレ不況の下で、貧困と格差が広がり市民の置かれている状況も大きく変化しています。国・府の制度の枠組みと、脆弱な財政状況のもとで、効率性やコストパフォーマンスが優先される市政運営のなか、これまで岸和田市の先進性や良さが失われつつあります。

今回の白書では子どもと女性に視点を置き、子どもや女性が住みやすい、住み続けられる市政について提言を行えればと編集しました。ぜひご一読ください。

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