中山 徹 著
自治体研究社
2017年2月発行
定価(本体1,100円+税)
第1章新自由主義による国土と地域の再編では、歴史を振り返り、高度経済成長期や小泉内閣の国土形成計画、国土形成計画の失敗による民主党への政権交代の後、第2次安倍内閣により始まった新たな再編の背景として人口減少と高齢化があり、課題として東京一極集中をどうするかということが最大のテーマになるはずが、首都圏の国際競争力強化となり、矛盾していると指摘する。次に大都市の再編、地方都市の再編、中山間地域の再編を紹介し、国際競争力強化の財源確保のために、公共施設を削減することで、そこで展開される公共サービスの予算が削減されるとしている。
第2章では、公共施設等総合管理計画を紹介している。
第3章公共施設等総合管理計画で示された削減目標の問題点では、具体的な自治体を紹介しながら、公共施設とインフラについて、削減型か長寿命型の自治体に大別している。
第4章公共施設のあり方を考えるでは、?公共施設の長寿命化が基本、?利用者の減少から統廃合は誤り、?公共施設の歴史的意味を問うことが大事と指摘する。
最後に、公共施設を考える基本的な視点は、?公共施設は市民生活を支える施設であり、今後のあり方は市民的に議論すべきである、?市民は公共施設の運営に積極的に関わるべきである、?公共施設はまちづくりの一環で考えるべきである、?手を加えながら長く使い続けるべきである、?全国的な再編の中で地域の公共施設が動いていることを念頭に置くべきであるとまとめている。
事務局長 山口毅