加茂利男先生が講演 OB4氏が経験報告
 ―第3回大阪自治体職員・衛都連OB会員学習交流会

 2月1日(土)、1年振りに懐かしい顔ぶれ26人が参加。3回目を迎えて今回はお馴染みの全国研究所理事長・加茂利男先生(大阪市大教授)に「市町村合併と21世紀の地方自治」と題して講演をお願いした。

 小泉構造改革の中で進む平成の市町村合併は、小規模自治体を切り捨てながら地方自治破壊へ、いま戦後日本の地方自治が重大な岐路にある。第二次地方制度調査会専門小委員会で提示された「西尾私案」の論理と問題点を批判しつつ、自治体改革の方向について、合併しない宣言や住民投票条例運動、長野県栄村での「小さくても輝く自治体フォーラム」への600人の参加など新しい変化がひろがっている。住民投票を合併の要件に、税源委譲プラス交付税改革、「小さくても自立」などの方向で地方自治の運動を強めることが必要と語られた。

 交流では4人が報告。堺の木下了さん「いま、自分史を書き始めている。組合役員や府議をやって学んだこと、果たした役割などを振り返っている」、茨木の原田保さん「ギャラリー福寿草を拠点に絵画や写真など美術品の展示が気軽にでき地元の人たちの文化活動を育て支えている。『よろず相談所』にもなっている」などすばらしい実践報告、大東の隅田和男さん「市商工会議所専務理事の仕事を通じて、地元の厳しい中小企業の実態を報告。貸ししぶり・貸しはがしも深刻。国・自治体の施策は現場の意見がどれだけ組み入れられるかが大切」と強調、富田林の阪上稔さん「富田林市主導の4市町村の合併が性急であったため頓挫。市役所内で中間管理職の自主研修を提案し、合併の問題点を問う。千早赤阪村の村民としての立場からも取り組んだ」など、さすがはOBらしいよい話を聞くことができた。

 終了後、懇親会では加茂先生も囲んで意気盛んなOBの活躍ぶりなど話に花が咲いた。今回も一法真證さん(元衛都連委員長)得意のサキソフォンによるジャズの演奏が一段と雰囲気を盛り上げました。

(研究所理事 徳畑 勇)

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