6月10日(土)午後3時より、(社)大阪自治体問題研究所第33回定期総会が、大阪市北区天神橋の大阪グリーン会館2階ホールで開催されました。総会には53名の会員が出席、書面出席(委任状)を500名、計553名の出席で、定款上の成立条件を満たしました(定足数は527名)。
飯田秀男理事が開会を宣言し、谷口積喜氏(大阪市役所労組)、渡部みどり氏(大阪府職労)が選出され、議事がすすめられました。
開会あいさつにたった重森曉理事長は、大阪研究所はここ数年、持続可能な地域社会づくりというテーマに研究に取り組んできた。同時に都市と農村との連帯ということについても「小さくても輝く自治体フォーラム」への参加をして追求してきた。都市と農村がどのように連携していくのか、さまざまな角度から研究してきた。持続可能な社会をつくるために都市と農村がどのように連携していくのか、そして、住民自治を基礎にした地方自治をどのように発展させていくのか、ということが重要な課題となってくる。地方交付税問題についても研究所として論陣をはっていく必要がある、としめくくりました。
各議案については6月号、7月号(本号)に掲載されているので省略します。
第1号議案(2005年度事業報告)は久保貴裕・常務理事が、第2号議案(2005年度決算)は、織原泰・事務局長が報告。
会計監査は、猿橋均・監事が報告。
第3号議案(2006年度事業計画)は中山徹・副理事長が提案。第4号議案(2006年度予算)は織原泰・事務局長が提案、第5号議案(役員改選案)は、初村尤而・理事が提案しました。
つづいて、討論に入りました。各討論者の発言要旨を以下に紹介します。
◇黒田充さん(研究所研究員)
研究所と業務委託を結んで、ホームページを月1回更新する体制をつくった。
◇木下三男さん(大阪府職員)
これまで、大阪府行財政研究会(通称:牛丼研)を重森理事長の協力で、隔月で開催してきたが、諸事情でできなくなった。これからは、中山副理事長の協力を得て、大阪府政研究会を立ち上げることになる。自分自身は再任用の身だが、昨年の総会記念講演にもあったように、退職しても会員はやめられない。府でもOB組織を作りたい。
◇前田美子さん(大阪保育運動連絡会)
子育てに関して、就学前の子どもの制度が大きく変わろうとしている。規制緩和・市場化の中で、認定子ども園が10月から本格実施になる。政府は少子化対策と称して「放課後子どもプラン」を打ち出した。いずれも自治体が主体となるもので、自治体として、どういう政策をつくっていくか、問われている。
◇廣瀬平四郎さん(大阪市)
都市高速道路問題で発言したい。合併施行方式で街路事業として市民の税金が投入されている。淀川左岸線は、総事業費1276億円。膨大な市民の税金が投入されている。こうした問題にも研究所が政策提言をしてほしい。
◇船井洋子さん(大阪府職労)
臨床検査技師として38年間勤務しているが、検査業務の外注化がすすんでいる。職員の士気も低下している。電子顕微鏡もあつかえるし、研究所の活動に活用していただきたい。
◇尼子美子さん(門真市職労)
環境自治研究会を、事務局体制を確立して、専門家も入れて再開してほしい。会員の激減に驚いている。総会にむけて若手職員に入会したもらった。思い切った会員拡大に取り組みましょう。
◇藤永延代(おおさか市民ネットワーク)
公共性の役割を具体的に示したのが、今回、出版した『環境安全白書』である。全会員に普及していただきたい。
◇尾形清一(立命館大学)
NIRA(総合研究開発機構)の研究助成(「指定管理者とNPO」)を担当している。研究所としても協力体制を組んでいただきたい。
久保貴裕常務理事がつぎのとおり総括発言を行ないました。
ホームページの充実は、多くの意見を寄せていただきたい。黒田さんのご協力で、月1回更新の体制を構築した。こんご3つの分野で研究所活動を前進させていきたい。(1)自治体職場での自治研究活動、(2)市民活動分野、(3)OBへのはたらきかけ。公務員バッシングの中で、研究所活動を積極的にすすめめていきたい。また、基礎自治体での「まちづくり研究会」活動にも注力していきたい。厳しい情勢ではあるが、住民の立場からたしかな対抗軸をつくっていく。先駆性、機動性をモットーとする「行動する研究所」をめざしながら、会員拡大を思い切ってすすめていきたい。
議長より、各議案の採決の提案がおこなわれ、反対意見がないので拍手によって採決され、すべての議案は圧倒的賛成によって採決されました。
この総会で、理事長を退任した重森氏は、自分の研究人生と研究所の活動はほとんど一致していた。今回1000名の会員で総会を迎えられなかったことは残念。1000名を超え、2000名をめざし、維持可能な研究所をめざしていきたいと、あいさつされました。
閉会あいさつは、鶴田新理事長がたち、大阪研究所は、全国でも大きな影響力のある研究所、目先のうごきにとらわれるのではなく、大きな視野で調査研究に取り組んでいきたい、としめくくりました。
(文責 事務局)