(社)大阪自治体問題研究所第35回定期総会が、6月7日(土)午前10時30分より午後0時30分まで、大阪市北区の大阪グリーン会館2階ホールで開催されました。総会には40名の会員が出席、書面出席(委任状)が522名、計562名の出席で、定款上の成立条件を満たしました(定足数は487名)。
松本裕彦事務局次長が開会を宣言し、中村晶子さん(堺市職労)、佃孝三氏(研究員)が選出され、議事がすすめられました。
開会あいさつにたった樫原正澄理事長代行は、研究所は会員・読者の後退により「組織的危機」にあり、自治体学校の成功の取り組みとあわせて、情勢に応えられうる研究所組織に強化充実しようと発言し、スウェーデンからの鶴田理事長のメッセージを紹介しました。
各議案については『おおさかの住民と自治』6月号議案特別号(5月中旬発送済み)に掲載されているので省略します。 第1号議案(2007年度事業報告)は織原・事務局長が、第2号議案(2007年度決算)は、織原・事務局長が報告・提案。会計監査は、梶哲教・監事が報告。
第3号議案(2008年度事業計画)は久保貴裕・常務理事が提案。第4号議案(2007年度補正予算)は織原が提案、第1〜4号について、一括して満場一致で採択されました。第5号議案(役員改選)は、久保貴裕・常務理事が提案しました(満場一致で採択)。
各討論者の発言要旨を以下に紹介します。
◇渡部みどりさん(大阪府職労)
4月11日、橋下PT試案が出て、ドーンセンター、弥生文化博物館、ワッハ上方の関係者の運動、35人学級でのPTA協議会の運動の広がりなど、総計で300万筆以上の署名が集まった。府職労は府財政研究会を立ち上げ、5月24日「つどい」を開催し、170人が参加、高山新・大阪教育大学教授が、府財政危機の状態は「500万円の所得の人が1500万円の借金をしている程度」とわかりやすく講演をした。研究所が出版する府財政のブックレットを普及していきたい。
◇廣瀬平四郎さん(大阪市OB)
住民運動に魅力のある研究所にしてほしい。とくに理工系の研究者が少ない。淀川左岸線の基本設計を情報公開請求で入手し、国土問題研究会に依頼をしたが、手一杯の状況だった。研究所も理工系の研究者を積極的に入れてほしい。
◇有田八郎さん(吹田市職労)
吹田のまち研づくりをすすめている。吹田では住民運動は多様な展開をしているが、運動の蓄積ができていない。住民運動の「駆け込み寺」としてのまち研をつくる。その際のキーワードは「ギアチェンジ」、まち研をつくり新しい「ギア」で自治体労働運動と住民運動を結集したものにしたい。所長、主任研究員も決まった。事務所をおいて常駐のスタッフもおく。大阪研究所へは人的支援、研究内容へのアドバイスをお願いしたい。吹田市で開かれる自治体学校成功も全力をあげたい。
◇黒田充さん(研究員)
昨年、徳島県上勝町で光ファイバ住民アンケート調査を行った。国の補助金と過疎債で光ファイバをひいた。しかし、利用されていない。この8月30日に全国交流集会をできないか。地域情報化と住基カード(=監視社会化である)等は地方自治にとって大きな問題である。研究所の研究分野を広げていくことが会員をふやすことにもつながる。
◇尼子美子(門真市職労)
自治体学校のひとつの目玉は、日韓地方自治分科会。プサンと交流をつづけてきた大阪研究所ならではの企画だ。広く参加を呼びかけていきたい。
久保貴裕・常務理事がつぎのように、まとめの発言を行ないました。
廣瀬、黒田の各氏から提起のあった問題については、研究分野を広げ、ニーズに応えていきたい。研究員制度充実等によって具体化したい。各分野の悩みを受け止めて、ニーズに応えられるような研究所にしていきたい。キーワードは「身近な研究所」「駆け込み寺」。自治体学校の成功を機に組織的な発展をとげたい。
今回で退任する役員を代表して徳畑勇氏が、「研究所に長くかかわって、いろいろ勉強をさせていただいた。自治体職員の退職退会をいかにくい止められるか。まち研を各地につくり、住民とともに自治体職員OBがかかわっていきたい」とあいさつをされました。
新任の役員のあいさつは、高山新・大阪教育大学教授と原弘行・農民組合大阪府連副会長が行いました。
最後にあいさつにたった藤永延代・副理事長は、「早期に会員1000名を回復し、地域や住民の期待に応えていきたい。今回の橋下PT案は、地方政治が変われば生活が変わるという実感が府民に伝わった。韓国の米牛肉輸入阻止の運動に学びたい。まち研づくりをすすめ、魅力ある研究所づくりをし、地方自治破壊の予防線としての研究所の役割を発揮したい」と結びました。
午後からは、「第50回自治体学校in大阪プレ企画」第2弾が開催され、約60名の参加があり、盛況でした。
(文責 織原 泰)