シャープ工場誘致視察団同行記
破格の税金投入でどんな誘致をしているのか?
2009年1月28日(水)、企業誘致問題が浮上している浜松市から市会議員シャープ視察団が、あらかじめ勉強された「地方自治体と企業誘致」を携えて来所、現場視察・堺市職労ヒヤリング・中山徹副理事長の講演を交えた懇談と多彩な一日に同行しました。
浜松市では、「保育の充実」など福祉施策を訴えて当選した市長が、その福祉の財源として「企業誘致」を持ち出し、企業誘致に税金を支出し、企業の業績が上がり事業税が入れば福祉に回せると言う構想だそうです。これが地方自治体の長の言うことか?とびっくりしました。企業の利益に依存した水もののような「福祉行政」を市民は許していいのでしょうか?また、堺市のシャープ工場誘致現場を見て・聞いた結果、自治体にとってそれほど「企業誘致」が大事なのか?と疑問を持ちました。
地域の土地は、市民共有の財産です。これまで聞き流していた「企業誘致」も、実に「問題多し」だとわかりました。「企業誘致」という名の民間大企業任せの土地利用を監視する運動が必要だと痛感します。その問題とは、(1)民主主義の問題として、同じ企業誘致でも尼崎市では参入企業が住民向け事業説明をしますが、堺市では自治体職員が説明しています。なぜ、公務労働者が企業活動のお手伝いをするのでしょう。「シャープ様さま」という感じです。(2)企業誘致の経済効果で、市が出している数値はほんとうなのか?過大評価ではないのか。地元がどれほど潤うのか。そんな疑問を晴らすべきです。(3)極めつけは「撤退」問題です。日本の場合、参入時にはアセスメントなど不充分ながらチェック機能がありますが、撤退時には何にもないそうです。でも、これは日本の話です。
フランスでは、撤退する企業には、そのことによって発生する損失を弁償させるシステムがあります。例えば、撤退企業で働いていた労働者が他の職場で働いて得た収入が低ければその差額を撤退企業が弁償するというものです。(*フランス労働法)
つまり、「発つ鳥あとを濁さず」の精神ですね、とは中山先生のはなしでした。
事務局長 藤永延代
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